はじめに

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 瑞穂町は都心から約40kmの武蔵野台地の西部に位置し、東は武蔵村山市、埼玉県所沢市、西は青梅市、羽村市、南は福生市、北は埼玉県入間市に接し、面積は16.83km2となっています。
 町域の中央部から東方にかけて狭山丘陵を擁しています。狭山丘陵は東西約11km、南北約4kmで、俯瞰した形状はほぼ紡錘形をなし、面積は約35㎞2です。このうち丘陵の町域部分の面積は、約2.7㎞2となっています。
 丘陵の最高地点は、東京都立瑞穂農芸高等学校の北側の丘陵頂部で、この地点に一等三角点「高根」があり、その標高は194mとなっています。丘陵はここから東方に向かってその標高を次第に低減させ、東村山市八国山付近で約100mとなります。
 町のほぼ中央部から南東に流れる残堀川は多摩川へ注ぎ、北東に流れる不老川は新河岸川を経て荒川に注いでいます。町域の狭山丘陵西端部は、2つの水系の分水嶺をなしています。
 丘陵の周辺には、里地里山の景観をほぼ良好に保持する地域が存在し、東京都における野菜類を中心とした近郊農業の一拠点ともなっています。
 瑞穂町域では、狭山丘陵とその周辺を中心に、多くの動植物の生息が確認されています。このたび、瑞穂自然科学同好会が、町域において継続して行なってきた動植物に関する観察の記録等を編集し、町域に生息する動植物の概容を表と解説を中心にわかりやすくまとめることができました。
 町域の自然環境に関しては、すでに『鳥・みずほ』『瑞穂の自然』『狭山丘陵とその周辺ハンドブック』『瑞穂町小事典」等が瑞穂町教育委員会より刊行され、紹介されていますが、本書によって、瑞穂町の貴重な自然環境がより精細に確認できることとなりました。
 多くの方々が本書を利用され、町域に生息する動植物に親しみ、貴重な自然遺産を将来に向けてできるかぎり良好に継承してゆくための一助となれば幸いです。
 

平成18年12月15日


瑞穂町郷土資料館