編集後記

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 瑞穂自然科学同好会は1982年に発足し、今日に至るまで自然保護思想の啓発を目的として、野鳥や昆虫、水生生物など、その時々でいろいろなテーマを設定し、同好会員による観察会を独自に続けてきました。その後、広く町民にも身近な自然を再発見してもらうことを新たに目的として加え、瑞穂町教育委員会と連携して自然観察会を実施するようになりました。
 この観察会で多くの動植物が記録されました。その他にも同好会員の個人的な調査やデータ収集によって、町域の様々な動植物の記録が集積されてきました。
 今回、瑞穂町郷土資料館より瑞穂町の動植物についての記録をまとめたいと話を持ちかけられたのを機に、今までに得られたこのような記録を整理したものが本書の中心をなしています。
 編集に際して依拠した正式な調査としては、1992年の繁殖期に瑞穂町の野鳥ガイドブック『鳥・みずほ』を作成するために実施した野鳥生息調査のみであることは、お断りしておかなければなりません。
 また、動植物リストに掲載してある種類は、瑞穂町域で記録されたものに限定していますので、行政域を超えた狭山丘陵という広範囲の地域において記録されている種類であっても、本書では未掲載の場合があります。このため、狭山丘陵全域を対象とした池谷文夫の「狭山丘陵の自然~動植物の現状~」と、瑞穂町域を対象とした瑞穂自然科学同好会の「瑞穂町の動植物」との間では、掲載されている種類等に若干の差異が生じています。
 「瑞穂町の動植物」の本文においても触れていますが、この動植物リストに掲載した種類は観察会で記録されたものと、同好会員個人の興味の範囲で調べたものとに基づいています。したがって、リストにおいて例えばクモ類が欠落しているなど、同好会員が苦手とする分野や知識不足によって種名を特定できていない分野もあるため、この動植物リストに掲載した動植物が瑞穂町に生息する全ての種類を網羅している訳ではないことを申し添えます。
 以上のように、現状では不十分な面が多々ありますが、本書が、身近に存在する自然のすばらしさを新たに認識する契機となり、今後の瑞穂町の自然保護推進のための一助となれば幸いです。
                          瑞穂自然科学同好会
 
執筆
 瑞穂自然科学同好会
 (黒田美好 池谷文夫 村野隆夫 村山俊彰 宮﨑豊 吉川和彦)
 瑞穂町建設課
 
写真提供
 瑞穂自然科学同好会
 (黒田美好 池谷文夫 村野隆夫 村山俊彰 宮﨑豊)
 桶田潔

オオムラサキ