「自然」という言葉は時により緑(植物)で代用される。植物はその地域の自然景観を表す一番重要な要素といえる。さて、これまで述べてきた狭山丘陵の森林は、どのくらいの面積があり、里山としてどのような状態なのだろうか。
2003年~2004年にかけての冬期、(財)トトロのふるさと財団が瑞穂自然科学同好会等の地元市民団体と共同して、狭山丘陵の里山に関した調査を実施している。この調査では水道局用地および東村山市の狭山公園(工事中のため)を除く574haの狭山丘陵の森林を対象として、森林や湿地を9ゾーンに分け、植生、林内状況、管理状況を調査している((財)トトロのふるさと財団2006)。この結果から、狭山丘陵の雑木林がおかれている里山としての森林の現況をみてみる。