狭山丘陵のカモ類については、(財)日本野鳥の会東京支部、(財)埼玉県生態系保護協会らによって、1977年から毎年1月中旬に村山貯水池と山口貯水池で各種類毎の数が記録されている。全国規模で実施されている、いわゆるガン・カモ類カウントである。
その結果を要約すると、調査開始以来1988年までは、両貯水池を合わせると10種以上で約5,000羽記録されていたが、1990年代では10種前後だが数が急に減少し2,000羽以下となっている。さらに、2000年代に入ると種数に変動はないものの、数は500羽前後まで減少している。1990年代に数が減少した理由は不明であるが、近年の減少は山口貯水池、村山貯水池と続いた堤体工事の影響と考えられる。調査開始以来貯水池のカモ類の9割以上はマガモ、カルガモ、コガモであったが、近年カルガモは減少している。カルガモは近年丘陵外の公園や川にも普通に生息しており、近隣の各所へ分散したためと考えられる。