両生類といえば水陸両方に生息できる強い生きものと思われがちだが、逆に水辺と陸の両方の環境が適切でなければ生きていけない、良好な環境の指標種として注目する人が増えている。埼玉県環境部自然保護課は、『狭山丘陵いきものふれあいの里・自然環境調査報告書』(1995)において、それまでの既存文献・資料から狭山丘陵に生息する両生類として、有尾類(サンショウウオ・イモリ類)2種と無尾類(カエル類)8種の2目6科10種をあげている。このうちウシガエルについては北米産の帰化種である。
今回はその後の文献・資料も加え精査した結果、1970年頃にモリアオガエルの成体を確認していた記録を得た(宮﨑豊私信)。記録は1970年頃瑞穂町箱根ケ崎地区の浅間谷である。現在この場所は池の形は残されているものの落ち葉が堆積した湿地で、モリアオガエルの生息は認められない。ここでは表-8に示す2目6科11種を狭山丘陵で記録のある両生類とした。
目 | 科 | 種 |
サンショウウオ | サンショウウオ | トウキョウサンショウウオ |
イモリ | イモリ |
カエル | ヒキガエル | アズマヒキガエル |
アマガエル | アマガエル |
アカガエル | ニホンアカガエル |
ヤマアカガエル |
トウキョウダルマガエル |
ウシガエル |
ツチガエル |
アオガエル | シュレーゲルアオガエル |
モリアオガエル |
2目 | 6科 | 11種 |