1 カエル類の分布

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 筆者は1999年、狭山丘陵の25箇所の水辺を対象にカエル類の分布調査を実施した。その結果を図-7、表-9に示す。ヤマアカガエルは18箇所で一番広く分布しており、次いでシュレーゲルアオガエル12箇所、ニホンアカガエル、ヒキガエル、アマガエルは共に8箇所の順で生息を確認した。かつては水田で必ず見られたトウキョウダルマガエルは、わずか3箇所の記録であり、ツチガエルに至っては確認することができなかった。その原因は狭山丘陵における極端な田んぼの消失と残された田んぼも湿田から乾田へ改変された場所が多いためと考える。

図-7 調査地
(財)トトロのふるさと財団調査委員会(2005)を改変

表-9 調査結果
No.谷戸
田んぼ名
二ホン
アカガエル
ヤマ
アカガエル
ヒキガエルシュレーゲル
アオガエル
アマガエルウシガエルトウキョウ
ダルマガエル
水辺の環境種数
合計
1○△□●▲□○△□  湿田  3種
2西久保○△□●▲□●▲■○△□流れ湿地湿田乾田5種
3三ヶ島△□流れ乾田3種
4堀口▲■乾田1種
5大鐘▲■乾田1種
6菩提樹●▲■○△□○□流れ湿地乾田4種
7雑魚入○△□●▲●▲流れ湿地3種
8町谷△□乾田1種
9三田△□流れ湿田1種
10北山△□流れ乾田4種
11廻田○△□乾田1種
12中藤△□湿田1種
13横田○△□○△□流れ湿地4種
14野山○△●▲■○□流れ湿地乾田4種
15エヶ入○□湿地1種
16細田○△湿地2種
17赤坂○□○△□流れ湿地3種
18三本入○□1種
19日野出○△2種
20猿久保○△流れ湿地2種
21宮野入○□●▲■○□○□流れ湿地湿田乾田5種
22桜沢○△○△流れ3種
23滝田谷津○△流れ湿地1種
24五反田流れ1種
25田ノ入流れ湿地1種
場所合計8箇所18箇所8箇所12箇所8箇所1箇所3箇所151251012
※ ○は卵塊、△は幼生、□は成体を示し、黒い記号は数が多かった(2~3桁)ことを表す。
※ 水辺の環境の「流れ」は自然の流路又は人工的な水路、「湿地」はほとんどがかつて田んぼだった休耕田を表す。
(財)トトロのふるさと財団調査委員会(2005)を改変