2 特記すべき昆虫

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 分布、希少性等から特記すべき昆虫類(チョウ類は別途後述)をあげると以下のようである。
ガ類 :フトオビホソバスズメ(山地性)、ハスオビアツバ(湿地性)、日本における北限又は北限に近い分布を示す種としてヒロバウスグロノメイガ、シマケンモン、アオフシラクヨトウ、ホシコヤガ、カザリツマキリアツバ、タイワンキシタクチバ(暖地性)
トンボ目 :ヒガシカワトンボ(多産)、稀種又は分布上注目すべきものとしてムカシヤンマ、サラサヤンマ、オオエゾトンボ(ヒロハネエゾトンボ)、ヨツボシトンボ、ヒメアカネ
カメムシ目 :ハルゼミ、マツモムシ、山地性のツノアオカメムシ、アオモンツノカメムシ、ヘラクヌギカメムシ、コガシラアワフキ
バッタ目 :キンヒバリ(稀種)
アミメカゲロウ目 :オオツノトンボ(稀種)

 埼玉県環境部自然保護課は『狭山丘陵いきものふれあいの里・自然環境調査報告書』(1995)において、狭山丘陵で記録された昆虫類を『日本の絶滅のおそれのある野生生物 無脊椎動物編」(1991)に照らし合わせ、保護が望まれる昆虫類の種をあげている。全国レベルのものとしては、「絶滅危倶種」とされているミツモンケンモン、「危急種」のホンシュウオオイチモンジシマゲンゴロウ、「希少種」のクロシジミ、オオムラサキの計4種である。オオムラサキは丘陵中央部から西部で少数の生息が毎年確認されている。ホンシュウオオイチモンジシマゲンゴロウも1992年に丘陵最奥部の金堀沢で初記録(東京電力1993)されて以来、ごく少数の生息が継続して認められている。クロシジミについては、すでに絶滅したことが定説となっている。ミツモンケンモンについての生息状況はいっさい不明である。
 地域レベルで保護的な価値が高い昆虫類として、以下の28種をあげている。
ホソミイトトンボ、ムカシヤンマ、ミヤマサナエ、マルタンヤンマ、サラサヤンマ、シブイロカヤキリモドキ、ハルゼミ、ミズカマキリ、ゲンジボタル、ヘイケボタル、ミヤマセセリ、ホソバセセリ、ギンイチモンジセセリ、ジャコウアゲハ、ツマグロキチョウ、ウラゴマダラシジミ、コツバメ、オオミドリシジミ、ウラナミアカシジミ、コムラサキ、オオウラギンスジヒョウモン、アサマイチモンジ、ミスジチョウ、ヒオドシチョウ、ジャノメチョウ、オナガミズアオ、フトオビホソバスズメ、ヘリスジシャチホコ