1 植物

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 かつて10年から15年ごとに伐採され、また下草刈りなどで管理されてきた雑木林は、公園管理の一環として更新伐採している場所はごく一部でしかなく、大部分は放置されたままとなっている。場所によっては半世紀以上も更新伐採や下草刈りがなされていないため、常緑樹やアズマネザサの繁茂が目立ち雑木林の様相は一変している。水田も放棄されて湿地化、さらに乾燥化が進んでいる。近年、自然環境保全の中心的な課題として生物多様性の概念が注目されている。生物多様の点においては極相林と二次林では、二次林との結び付きが強い野生動植物種の方が多いとの報告(守山弘1997)もあり、これに従えば、雑木林の管理をせず放置したままにおくのも、里山の自然にとっては自然破壊なのである。また、シュンラン、カタクリといった美しい花を咲かせる植物も、近年の山野草ブームで盗掘され、減少して絶滅に瀕しているものがある。