道路で交通事故死した動物や、弱って保護された野生動物などの情報を中心に表にまとめた(別表「瑞穂町野生動物(哺乳類)確認記録」:131~134頁)。これらは、餌を求めて移動中の事故と思われるが、事故地点を地図上に記すことでおおよその生息場所が推測できる(別図「瑞穂町野生動物(哺乳類)確認位置図:135頁)。事故地点付近ではけもの道やため糞(タヌキの共同トイレ)も確認している。中にはホンドタヌキの親子に餌付けをしているため、毎日庭に訪れる家もあった。また、2006年7月4日に、石畑の街中で飼い犬が小さな子ダヌキをくわえてきたことがあるなど、ホンドタヌキは狭山丘陵だけでなく、瑞穂町全域でひっそりと生息していると思われる。
2004年度からのゴミの一部有料化に伴い、夜に生ゴミが出されなくなり、残飯をあさることはなくなったが、家畜のニワトリを襲ったため捕獲されてしまったこともある。時折、疥癬(かいせん)にかかって、体毛が抜けた裸のタヌキも確認されている。〝疥癬〟とは、ヒゼンダニ類のダニが皮膚に寄生して起こる伝染性の病気で、かゆみや発疹などの皮膚炎が生じ、悪化すると全身が脱毛し死亡する。伝染するため地域の個体群が絶滅する場合もあるようである。このダニは人にも一時的には寄生するため、脱毛した野生動物に接する際には十分に注意する必要がある。
民家で見つかった子ダヌキ
疥癬で体毛の抜けたホンドタヌキ