水生カメムシの仲間

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 アメンボの仲間は池や水たまりなどの水面で見られる。脚先には細かい毛が沢山生えていて、これによる表面張力で水面に浮いている。中脚を上手に使ってすいすいと水面を移動し、水面に落ちてきた昆虫などの体液を吸う。意外とよく飛ぶ。

ヒメアメンボ

 ミズカマキリやタイコウチは池や田んぼの水中に棲んでいて、他の生き物を捕らえて体液を吸う。前脚が獲物を捕らえるのに適した形になっている。タガメは頑丈な前脚で小魚やカエルなどを捕らえる。ミズカマキリは体が細く、カマキリを思わせる形をしている。
 コミズムシは田んぼなどの水中で見られる6mmほどの小さい昆虫で、水草などの汁を吸う。翅と腹の間に呼吸用に空気をためている。そのため水中では何かにつかまっていないと浮いてしまう。オスには発音器があり、水中で泳ぎながら「チ・チ・チ」と鳴く。夏、灯火に飛んでくることがある。
 マツモムシは体長12~14mmで、背を下に腹を上にして、水面に逆さまになって浮いている。長い後脚を斜め前に伸ばした独特な格好で浮いていて、その後脚をオールのように使って泳ぐ。英語ではその姿から、〝Backswimmer(背泳者)〟と呼ぶ。他の生き物を捕まえて体液を吸う。手で捕まえると刺される。