ゲンゴロウ科

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 水中生活に適応した仲間。体形は楕円形、卵形などをしていて体の線にほとんど段差がなく水の抵抗を受けにくくなっている。後脚は泳ぐためによく発達していて、大きくやや平たくなっている。幼虫も成虫も肉食で、他の生き物を捕らえて食べる。幼虫は獲物を捕まえると、まず麻痺させる効果のある液を注入し、動かなくなったところで消化液を出し溶かして食べる。成虫の場合は獲物を麻痺させる液と消化液を同時に出す。消化力は強いようで、ゲンゴロウに指を咬まれた人が、咬まれた後そのまま放置しておいたら、骨まで溶けたという事例もある。
 瑞穂町には水辺の環境が少ないのでゲンゴロウ類を見られる機会は多くはない。ゲンゴロウは、水生植物の生えた池沼や放棄水田、湿地などに生息しているものの、農薬の使用や開発などで激減している。かつては普通に見られたらしく、狭山丘陵でも記録は残っている。瑞穂町では、1970年代に灯火に飛んできた個体を確認している。チビゲンゴロウ、マメゲンゴロウ、ヒメゲンゴロウ、コシマゲンゴロウは、池沼や田んぼなどで見られる種だが、水たまりで見られることもある。ハイイロゲンゴロウは田んぼで見られたことがあった。

ヒメゲンゴロウ


コシマゲンゴロウ