ハチ目

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 ハチというと、腹の先端に針をもっていて、それで刺す攻撃的なイメージがあるが、スズメバチなど一部の種類を除けば決して危険ではない。針は産卵管が変化したもので、メスだけにある。幼虫が植物食のハバチやキバチの仲間、他の昆虫に卵を産む寄生バチのヒメバチ、コマユバチ、コバチなどの仲間、他の昆虫やクモなどを捕らえて幼虫の餌にするベッコウバチ、ドロバチ、アナバチなどの仲間、他の昆虫や樹液、花の蜜などを食べるスズメバチの仲間、花粉や花の蜜を食べるミツバチの仲間などがいる。メスに翅がなくてアリに似ているアリバチという仲間もいる。アリバチは地中に巣を作るハチ類に寄生する。なお、アリもハチ目の仲間である。
 ハバチの幼虫は、葉上で葉を食べるので一見イモムシのように見える。ツツジに付くルリチュウレンジや菜類に付くカブラハバチなどは害虫として知られている。寄生バチの仲間は他の昆虫の卵や幼虫に産卵管を刺して産卵するが、毒針としての機能はほとんどないようだ。ベッコウバチ、ドロバチ、アナバチなどの仲間は、獲物を麻痺させることができる液を使って狩りをする。獲物を麻痺させて生きたまま巣に運び込み、卵を産みつける。餌となるのは、クモ、ガの幼虫、ツユムシ類など、種によって異なる。巣はさまざまで、泥で作るもの、地面に穴を掘るもの、木の穴などを利用するものなどがある。
 社会生活をする種があるが、ミツバチ、マルハナバチ、スズメバチやアシナガバチの仲間に限られる。他の種は単独で生活している。

トゲムネアリバチ(メス)