早春の狭山丘陵などでは、まだ冬の装いの残る林内の小道や陽だまりなどでミヤマセセリの姿を見ることができる。このチョウは他のチョウに先駆けていち早く羽化するため、春の到来を感じさせてくれる。
ミヤマセセリ(メス)
5月に入ると、丘陵周辺では翅の青緑色が美しいアオバセセリを稀に見かけることがある。このチョウの幼虫は、渓谷沿いなどに多いアワブキの葉を食すため、奥多摩方面などでは個体数も多いが、丘陵内にはこのアワブキは少なく必然的に個体数は少ない。また、このチョウは8月にも第2化が見られる。
アオバセセリ
5月半ばを過ぎるとキマダラセセリやヒメキマダラセセリが発生する。この2種も他のセセリチョウの色彩と異なり、オレンジ色の翅が美しい。丘陵内や林縁部などの草地で主に見られ、個体数も多いが、小さなセセリチョウの中でも小型な部類のため、なかなか目に付きにくい。
キマダラセセリ
瑞穂町には大きな河川がなく、河川敷などの草地を好むチョウの種類は少ない。ギンイチモンジセセリはそのような環境に生息し、以前は狭山池周辺の草地に生息していたようだが、生息地が宅地化されてしまったりして現在は見かけなくなった。ホソバセセリも丘陵内の環境変化に伴い見かけなくなって久しい。
ギンイチモンジセセリ