翅を開いた大きさが20mm程度で最も小型なチョウの仲間。
狭山丘陵一帯は、コナラを主体とした雑木が多く、幼虫がその葉を食べるアカシジミやウラナミアカシジミ、オオミドリシジミなどの良い発生源となっている。これらのチョウは初夏の夕方、コナラなどの樹上を飛翔する多くの個体を目にすることができる。また、雄の翅が緑色に輝くミドリシジミも瑞穂第五小学校裏の谷戸のハンノキなどで発生している。
六道山公園の周辺部にはイボタが多く、ウラゴマダラシジミも多い。また、付近の笹林ではゴイシシジミの姿を見かける。名前のとおり翅の裏面が碁石模様をしているためこの名がある。このチョウの幼虫は肉食性で、笹につくアブラムシを食べて成長する。さらに成虫もこのアブラムシの分泌液を吸って生活するという変わった生態の持ち主である。
近年、温暖化の影響で新たに確認されたチョウもいる。ムラサキシジミは、1990年代に入って確認され始め、現在は人家のカシ類でも多数が発生する。さらに近似種のムラサキツバメは2000年代に入って確認され始め、街路樹や公園のマテバシイで繁殖が確認されている。両種とも成虫で冬を越すため、冬期の気温が生息条件として大きく影響していると思われる。