タテハチョウ科

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 タテハチョウの仲間は18種もの生息が確認されている。東京近郊ではほとんど見られなくなったオオムラサキもまだまだ健在である。六道山公園周辺にはエノキが多く、この一帯が主な発生源となっている。2003年より、瑞穂町教育委員会の事業として7月にオオムラサキの観察会を実施している。初年度の2003年の観察会では、出会いの辻から高根山公園に至る遊歩道脇のクヌギの樹液に4頭もの個体が飛来し、参加者以上に主催者側が驚いたことがあった。このようなことは稀で、周辺には樹液の出るクヌギなどが少ないため、成虫を見る機会は滅多にない。冬季にエノキの根元の落ち葉から越冬幼虫はかなり見つけることができる。

オオムラサキ(オス)

 オオムラサキを小型化したようなコムラサキは、狭山丘陵では少ないながらも確認されている。この周辺ではヤナギの自生する谷戸などが発生源で、個体数は少ない。ヒョウモン類は、個体数は少ないながらミドリヒョウモン、オオウラギンスジヒョウモン、メスグロヒョウモンが見られる。メスグロヒョウモンは近年個体数を増している。また、2000年頃から暖地性のツマグロヒョウモンが確認され始め、今では個体数も多くすっかり定着しているようである。

コムラサキ(オス)


メスグロヒョウモン(メス)

 セセリチョウ科のアオバセセリと同じく、アワブキの葉を幼虫が食べるスミナガシも丘陵内のコナラの樹液などで見つけることができる。

スミナガシ