ここ数年の冬の温暖化傾向は、南方系のチョウにとって勢力範囲を拡げるまたとないチャンスなのだろう。ジャノメチョウ科のクロコノマチョウは、1990年代後半より瑞穂町周辺で発生が確認されるようになり、2000年代に入ると確認される個体数も増加し、幼虫や蛹なども確認されている。シジミチョウ科のムラサキツバメとタテハチョウ科のツマグロヒョウモンも、2000年代に入って確認され始めた。
これら3種についてはここ数年、相当な勢いで分布の拡大が報告されている。冬季の温暖化傾向が生息の条件を満たしてきたことと、幼虫が歩道の植栽や街路樹に多用されるパンジーやマテバシイなどを食べていることも分布拡大の要因となっているようだ。