春の草花

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 2月も末になると徐々に春の気配を感じるようになり、3月になると草地や畑地の陽だまりではオオイヌノフグリやホトケノザ、ヒメオドリコソウなどが咲き始める。場所によっては群生して、一面に広がっていることもある。その後、タンポポやナズナ、カラスノエンドウ、カタバミ、スミレなど色々な花が咲き出す。小さな可愛い花をつけるものもあり、淡い青紫色のキュウリグサや白い花をつけるナデシコの仲間などがある。

スミレ

 タンポポでは、在来種のカントウタンポポと外来種のセイヨウタンポポが普通に見られるが、これら2種間の雑種も見られるようになってきた。セイヨウタンポポと外観がそっくりで種子の色が赤みを帯びているアカミタンポポも最近贈えてきている(セイヨウタンポポの種子は灰褐色)。また、白い花をつけるシロバナタンポポが見られることもある。西日本では普通に見られる種で、交通機関の発達などに伴い運ばれてきたのではないかと思われる。以前、中央自動車道の八王子インター近くで、シロバナタンポポが一面に咲いているのを見たことがあるが、その翌年にはほとんど見られなかった。理由はよく分からないが定着しにくいようである。
ヒメオドリコソウキュウリグサ
ヒメオドリコソウキュウリグサ
 
左:セイヨウタンポポ 右:アカミタンポポシロバナタンポポ
左:セイヨウタンポポ
右:アカミタンポポ
シロバナタンポポ

 雑木林では、シュンランやアオイスミレなどがいち早く花を咲かせ、その後、ムラサキケマン、タチツボスミレ、チゴユリ、ヒトリシズカなどが咲き出す。五月上旬には、フタリシズカやジュウニヒトエ、キンラン、ギンランなども見られるようになる。
 田んぼや湿地の周辺では、ゲンゲ、ムラサキサギゴケ、ケキツネノボタン、イヌガラシ、クサノオウ、ヘビイチゴなどが見られる。
ゲンゲムラサキサギゴケホトケノザ
ゲンゲムラサキサギゴケホトケノザ
 
カラスノエンドウケキツネノボタンフタリシズカ
カラスノエンドウケキツネノボタンフタリシズカ