筆者は1982年から野生動物の交通事故を中心とした記録を取ることとした。そのきっかけをなしたのは、1982年12月のホンドタヌキの交通事故死である。深夜に自動車を運転中に発見したもので、筆者にとっては瑞穂町での初めてのタヌキの記録であった。それ以来、町役場に寄せられたこのような交通事故情報をはじめ、個人的に収集したり、寄せられた情報・記録も含めて、2006年7月現在までの24年間の記録を表と図に示した。
生息分布とは違い、交通事故の記録を中心にまとめたものであるため、図には道路上にプロットされたマークが多くなってしまうのは当然であるが、事故の集中する路線が浮き彫りになる結果となった。
この記録をもとに、2003年に瑞穂自然科学同好会が「動物注意」の道路標識の設置を町に要望し、「学校通り」(町道2号線)にタヌキマークの標識が2箇所設置された。その翌年も事故が絶えないことから、同じ路線にキツネマークの標識が2箇所、旧国道16号(都道166号線)と町道7号線にも2箇所ずつ設置された。
この後も設置路線沿線で交通事故は起きているが、少しでも多くのドライバーが標識に気づき、野生動物の交通事故が減ることを望むものである。
「動物注意」の標識 タヌキマーク
「動物注意」の標識 キツネマーク