保存樹林地においては、下草刈りや枯損木処理などの整備が進むことにより、以前の健全な雑木林の様相を少しずつ取り戻している。手入れがされずに樹木や下草などが鬱蒼と生い茂っていた時期は、林内は暗く不法投棄が後を絶たなかったが、指定前に枯損木やゴミなどを除去したことで不法投棄は大幅に減少した。生態系に目を向けると、林床が明るくなることで様々な動植物が見られるようになった。
動物では昆虫類の増加が挙げられる。甲虫類ではトラップ調査により、アオオサムシやヒラタシデムシ類などが多数確認され、チョウ類では、春にミヤマセセリやコツバメなどが見られるようになり、生態系が回復していることが伺える。
植物では、ヤマユリがあちこちから芽を出し始め、シュンランやゼンマイなども見られるようになった。
今後も林床などの手入れが進むことで、昔ながらの健全な雑木林が復活し、さまざまな生態系の回復が期待できる。