このたび『守谷町史』の刊行につきましては、昭和五十五年四月に町史編さん委員会を組織して仕事を進めてまいりました。その間、編さん委員、専門委員および関係各位の絶大なるご尽力によりまして、ここに発刊することができましたことを誠にうれしく思います。
守谷町は利根・鬼怒・小貝の三河川に囲まれ、昔から水と緑の豊かな、水明肥沃の地として先人達の偉大な力によって拓かれてきました。
私達はこれらの歴史的文化的遺産を後世に引継ぐとともに、この郷土をより明るく、より豊かな、より住みよい町として造り上げる努力と責務があると思います。
昭和三十年に旧守谷町・大井沢村・大野村・高野村が合併し、大守谷町への第一歩を踏み出しました。
その後、住宅都市整備公団、三井不動産及び民間業者の開発事業が進められ、昭和五十七年三月から北団地の入居が始まり急激な人口増加が予想され、いよいよ町は大きく、変ぼうしようとしています。その反面、ややもすると古きよき時代の貴重なものが忘れられ、失なわれようとしています。
本年は町村合併三十周年を迎え、また科学万国博覧会も開催され、ますます都市化が進む現状にかんがみ、より多くの町民の方に、この町史を読んでいただくことによって、郷土「守谷町」に対する認識を深めていただき、一層郷土を愛する心を高めていただきたいと思います。
最後に編集に際しましては執筆者である「守谷の自然」を担当された江幡保先生、「原始・古代」を担当された西宮一男先生、「中世」を担当された河野辰男先生、「近・現代」を担当された高梨輝憲先生の特段のお骨折りによりまして内容が一層充実することができました。
また、史料等快く提供して下さいました方、および多大の御協力をいただいた方に心から厚く感謝を申し上げまして発刊の辞といたします。
昭和六十年三月
守谷町長 大和田仁