わが国の中世は律令政治が崩壊して、武士が天下の実権を掌握した時、正式には源頼朝が鎌倉において武家政治を創設した十二世紀の後半より、室町時代足利氏滅亡の十六世紀の後半に至る約四〇〇年間を、中世、または封建時代前期と呼んでいる。
ところが、地方史をみる場合に、武士の時代が案外早くおとずれた地方もあれば、その反面、武家時代に遅くはいった所もあったようで、その様相は必ずしも一様ではない。そのような意味において常総の歴史をみると、この地方には案外早くから武家時代のきざしが見えはじめたものではないかと推察される。