この平氏の先祖を、『尊卑文脈(そんぴぶんみゃく)』によってみると、前記のようになっている。また、ここに『将門記』をみると、将門の父良将は、良持となっており、良持のところは、良正とあって、国香、良持、良兼、良正、良文の名が出て来る。これについて、良将の「将」と、良持の「持」のくずし字が似ているところから、書き違えたのではないかという見方もある。そして、良茂の子良正は、『将門記』には高望の子、「良正」となっているが、良将と、良正は同一で、良茂と良持は同じ読み方で、重複ではないかというのである。註(1)これについて、良将は良持ではなく、その子供等が「将」を称しているから、やはり良将が正しいという説もある。
平将門像(国王神社蔵を写筆する)