尊卑文脈と将門記

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 ところで、『尊卑文脈』という書物は、南北朝時代に洞院公定という人によって企画され、室町時代になって増補・改訂・転写が行われたもので、この系譜は大変に信憑性があるといわれている。しかしながら、『将門記』の方は、『尊卑文脈』よりはるかに古く、将門が敗死して間もなく書かれたものであるから、こと高望の子供等の記名に関しては、『将門記』の方がより正確であるように考えられる。