組頭は別に与(くみ)頭と書くところもあり、村によっては二人、又は大村では四、五人置くところもあった。始めは五人組の頭であったともいわれるが、後には名主の補佐役として人格円満で文筆に通じ、さらに相当資産のある者を五人組の頭のうちか、村人が推挙又は入札(註、選挙)によって選び、それを領主が認証してこの役に就くことになっている。組頭の任務は現在の市町村の助役に相当し、名主の業務を補佐し、名主と同じく村内の交流を計り、ある場合には名主とともに領主側に立ち、その支配に協力しなければならなかったので、農村社会では名主、組頭ともに二次的支配層として位置づけられていた。