守谷町長 大和田 仁
守谷町は利根、鬼怒、小貝の三河川に囲まれた水と緑の豊かな町です。ほんの二十数年前までは純農村地帯だったのですが、住宅・都市整備公団による宅地整備以来開発が促進され、常総台地開発の中心的役割を担ってきました。さらに今、筑波研究学園都市と都心とを結ぶ常磐新線の中間地点に位置し、茨城県の玄関口として発展しようとしています。
現在の守谷町は、明治ニ十二年四月一日、全国に「市制及町村制」が施行されて成立した守谷町、高野村、大野村、大井沢村の一町三力村が、昭和三十年三月一日に合併して誕生しました。町村制施行の日から時は流れて百年の星霜を経た今日、過去の歴史を明らかにして今後の発展に資したいと念じ、記念誌を発刊しました。
明治、大正、昭和、平成と、郷土の歴史はその一つ一つを刻んで今日に至りましたが、歴史や郷土は卓越した人物によってのみつくられるものではありません。無名の大衆が必死になってその時代時代を生き抜いて、現在を築き上げてきたのです。そこで本書ではできる限り大衆にスポットを当て、多くの人々に登場して頂き、みなが親しめる記念誌になるよう努めました。
守谷に住み、郷土の発展に真摯に営々として活躍された先人たちの努力があって、今日の隆昌が成し遂げられました。このことを忘れることなく次代に引き継ぎ、歴史と伝統を踏まえた創造性豊かな理想の町として進展できるよう、町の姿を未来に託すカプセルとして本誌が役立つことを期待して序といたします。
平成二年十一月
守谷町町長 大和田 仁