普門山禪福寺

153 / 193ページ
 小絹村筒戸に在り、承平元年平將門の創立と傳へ、本尊十一面觀言は、即ち信田小太郞姉千手が相貌を寫せるものとし、さうした由緖書なども藏して居るが、それは近世の記文である。初めは眞言宗であつたのを、後世改めて臨濟宗となり、京都妙心寺に屬し今に至つて居る。
 戰國時代相馬の一族の筒戸に據つて居た間は、寺運も隆昌を極めたものであつて、今境域の一隅に建つ古色蒼然たる五輪塔の如きも實にその當時の相馬氏の墓標であるといはれる。德川氏の世には慶安元年八月已來拾三石八斗の朱印地を附せられてあつた。