・相馬氏の妙見信仰

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 千葉氏は「妙見-将門-良文-千葉氏」の図式を主張したのに対して、相馬氏は、将門の直系という信田氏を介しています。「将門-信田氏-相馬師常-相馬氏」と将門直系子孫を主張しています。妙見が将門から離れ、良文につくことは触れず、将門の直系を自認する相馬氏にとって、将門が妙見に見放されることは絶対に避けねばならず、相馬氏の妙見信仰を否定することになります。故に、将門の味方良文は登場させませんでした。『禅福寺縁起』や『相馬当家系図』は、将門と妙見大菩薩で勝利しています。
相馬氏も千葉氏と同様、妙見菩薩を一族の守護神として篤く信仰し、一族や家臣が新しい土地へ移住した時に、その土地に妙見社を勧請して祀っています。