幕府の職制は、番方(軍事職)と役方(行政職)とに大別されます。戦塵が覚めやらぬ江戸時代初期には、老中が支配する番方の大番頭(五千石)、若年寄が支配する書院番頭(五千石)・小姓組頭(五千石)が重要視されました。幕政が安定すると、役方の職が重要視されるようになり、中でも大名が就任する寺社奉行と江戸の町奉行(三千石)・勘定奉行(三千石)が三奉行と呼ばれ、幕政に重きをなす要職と考えられました。さらに、火附盗賊改(ひつけとうぞくあらため)(御先手(さきて)弓・筒之頭の加役(かやく)と称して一名出役する)など、幕府では実に様々の役職がありました。