守谷総鎮守八坂神社の祇園祭

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近江礼子

 守谷総鎮守八坂神社は茨城県の西南端に位置する守谷市本町にある。守谷市は南縁を流れる利根川を介して千葉県野田市や柏市と、東部は取手市に隣接し、西部を鬼怒川が南北に貫通し常総市と接する。東北縁を小貝川が流れ、対岸はつくばみらい市である。市の中央部は海抜約20m前後の常総台地が広がり、南北に関東鉄道常総線とその西側に国道294号が平行して走る。また中央部では平成17年に開業した東西に走るつくばエクスプレス(以下、TX)が常総線や国道とほぼ直角に交わり、TXとほぼ平行して西部を常磐自動本道が通る。常総線には南守谷駅・守谷駅・新守谷駅、TXには守谷駅があり、両守谷駅は直結している。守谷市は昭和50年代の宅地開発、そして近年の交通網の整備により、首都圏のニュータウンとして急激な発展を遂げ、茨城県では現在最も活気のある市である。

 そのような激しい変化の中で、旧守谷地区の総鎮守である八坂神社の祇園祭は、江戸時代からの伝統を引き継いで毎年厳粛に行なわれている。そして、年々盛大となり市内外から多くの人々を集め大変賑わっている。本稿では祇園祭の現状を詳細に報告し、その歴史や文化を明らかにしたい。