馬鹿囃子と馬鹿踊り

10 ~ 10

 5台の山車の舞台上で休みなく馬鹿囃子と馬鹿踊りが披露される。1か月前あるいは7月に入ってから、各公民館で青年会と子供会による馬鹿囃子と馬鹿踊りの練習が毎日のように行なわれる。青年会が子供会に囃子と踊りを教えるが、特に譜面はなく太鼓や鉦を叩きながら見ながら聞きながら覚えるという。しかし、笛を吹く人は少なく、また一番難しいので、テープを聞きながら覚えた人もいる。子供会の練習では楽器が足りないので、海老原町では撥でタイヤを、坂町新町では座布団を小太鼓に見立て練習している。3、4年生になると舞台デビューできる。


仲下町の馬鹿踊りの練習
青年会が子供達に稽古をつける。

 どの地区も仲下町の囃子と踊りが基本となっていて、仲下町の山車と囃子は佐原(香取市)から来ているとされる。踊りの面は、ヒョットコ・おかめ・大笑い(ひょうきん)・小笑い・怒り・馬鹿面[ばかづら]等で、面に合わせて相方に合わせ各自踊りを考える。踊り舞台で2名が踊るようになったのは20年以上前からで、それまでは必ず1名であった。最近では3名も見られる。昔の面の内側は結構凹凸があり薄くて軽かった。今の面は彫が浅いため厚くて重いが、それでも1面7、8万円する。上手な人は腰が低く、面の向きにメリハリがあり、手の表情が豊かである。踊っていると顔から汗が吹き出して目に入るし、面の目は非常に小さいのでとても見えにくいという。