大幟

27 ~ 27

 縦約10m、横約1.3mの大幟が19本建つ勇壮な風景は、守谷祇園祭の特色でもある。現存する最古の嘉永2年(1849)の大幟は文化財的価値が非常に高い。それを初出として、明治10年代には上町・仲町・坂町・新町には7本以上の幟が建っていた。大幟を揚げる伝統は古くて約166年前、少なくても137年前には旧守谷地区では一般的であった。そして、また明治30年代には新たに幟が建ち始めるが、文化財的価値の高い素晴らしい彫物を伴う。揮毫者2名も有名な書家で、俳諧や狂歌等の文化発達と同じように、旧守谷地区の文化水準の高さが窺える。

 地元の染物業者「新町柏屋」「愛宕小川京染」が幟制作に携わっており、旧守谷地区の町場としての繁栄を窺うことができる。さらに大幟を再調し続け、揚げ続けている情熱は郷土を愛する気持ちに溢れているからであろう。正に伝統が生きている。