文化9年(1812)の文書に、これまで社の前に御仮家(神輿の泊まる家)を建てていたが、5町内相談の上、上3町当番の節は「上宿中御幟」、下2町当番の節は「高札場」に決まったとある。そして、神輿が御仮家に遷る時間は14日の午後2時頃なので、村中一同仕えるべきであるとしている50。昭和36年刊『自叙伝』(斎藤隆三著)には、仲下町が当番の年には仲町斎藤家の門前に御仮家が建ったとある。上町が当番の年は上町平尾家の門前に御仮家が建てられたと推察できる。この2軒は昔からの地元の名家で、現在でも両家には大幟が建つ。戦後、御仮家は建たなかった。