済口証文之事
一当月十四日、牛頭天王祭礼閏月ニ付蔭祭り2いたし候間、若者共神前ニ而太鼓打罷在候処、九兵衛儀其場所江罷越、利不尽ニ太鼓を奪取候段、若者共願出、九兵衛御礼御座候処、全祭礼とハ不存、近所ニ不幸も御座候儀ニ付、憚も無之子供打寄太鼓叩キ候儀与相心得差留、則太鼓持に仕候旨申立、夫々御吟味中ニ御座候処、左之扱人立入内済掛合仕、九兵衛儀全酒狂之上之儀ニ付、倅弥平ゟ扱人を以若者共江相詫、太鼓ニ損等有之候間張替差出、利分憤之儀ハ貰請、双方無申分熟談内済仕候、然ル上ハ右一件ニ付、已来双方御願筋毛頭無御座候、依之連印済口差上申候処、如件
若者頭 善八 (
文政十亥年閏六月 同 万次 (
同 源七 (
同 大五郎 (
同 吉太郎 (
同 佐左衛門(
同 栄蔵 (
九兵衛倅 弥平 (
親類 仁左衛門印
組合 定右衛門印
同 安兵衛 印
同 勝右衛門印
扱人 忠左衛門印
同 文伯 印
若者頭 初蔵 (
右落ニ付此所ニ記ス 辰之助 (
町御役人衆中
2 例祭(本祭)を隔年に行なう場合、例祭のない年に行なう小祭。正式の儀式を省略した質素・簡略な祭礼。