19 天保十二年(一八四一)四月 神輿・四神・鉾等注文仕様書(Q9-15)

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(表紙)(竪帳)

「 御注文仕様書 」

 

     御注文之通

一御四神  惣丈 生物迄九尺

   龍  弐尺

   虎  壱尺八寸

一御鉾   但シ金厚ニて大丈夫金めつき焼付、惣体恰好よろしく

一御籏   但シ紋厚板、てれんふ地金らんへり仕立、但シ三下り

右者龍・虎之彫入念上彫ニ仕、但シ玉眼入極彩色、生物呂盤二重呂ばんニ仕、壱対檜ニて大丈夫ニ仕、鉾之棒壱本〆三本大丈夫組立、塗之儀者堅地黒ぬり、面本朱ぬり、惣体入念仕立上候、以上

一御神輿  怛シ下台三尺    壱社

      家根張三尺五寸

右者惣体木地ヨリ新規仕、下台樫木、鳥居・井垣・力木樫木ニ仕、御堂四本之柱樫木、御堂廻り長押見地張板上檜仕、組物五備二手先出組檜ニて大丈夫組立、二重垂木・御家根廻り見地張板檜ニて大丈夫、張立の筋中ヨリ十文字組出し木地惣体大丈夫仕、塗之儀者御家根呂ばん布着セ堅地黒ぬり仕、鳥居・井垣・御家根二重垂木本朱ぬりニて極上ぬりニ仕、組物極上彩色仕、彫物正面両小壁登龍・下り龍、上長押雲ニ鳳凰、下長押立波、木鼻八ツ唐獅子之彫物、惣体色吉金箔三へん、磨押金物之儀者下台角金物四方とも真ちうニて金厚、唐草ノ毛彫大丈夫ニ打立、巴四まい下台中江四方とも真ちうニて打立、棒空廻り四ツとも真ちうニて打立、鳥居・井垣之ときん真ちうニて惣体打立、御堂廻り唐戸ちらしぬきへり、垂木廻り之筋堂間金厚ニて、三方とも金ニて張きり、中江巴を打出し、惣体金めつき焼付、鏡弐拾四まい、羅毛よふらく四下り候も五下りニ仕、此分金めつき仕、風着(鐸)・よふらくの筋へり金物、惣体金あつニて大丈夫打立、わらひ手四本・燕四わ・大鳥壱わ何れも金厚ニて金めつき大丈夫打立、但シすゞヲ付、金物御家根吹返し四方とも真ちうのべ金かね(ママ)あつニて打立、金物惣体御神輿有来り通り入念打立、永々御為宜敷よふ請合申上候、以上

  惣仕上り

   代金三拾弐両也

     内金八両也、御手附慥ニ受取申候、以上

    残金拾四(ママ)両也、受取

     外ニ金壱両也、御祝義奉申上候

右者来ル五月廿五日限り無相違仕立差上申候、以上

                江戸大門通角

                     万屋

   天保十二丑年四月           利兵衛印

  下総相馬郡守屋(ママ)町

     糀屋佐兵衛様

     さつて屋万治様

     宮本河内様