1)季節ごとの活動と適地

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 自然観察などの行事を企画する際に注意すべきことは、その目的を明確にし、それに適合した季節とフィールドを選択することです。

 例えば植物では、開花期が植物の成熟している季節であり、サイズも標準に近くなります。従って開花期は美しいだけでなく、種の特徴を見るのに適した時期と言えます。

 また、鳥類では大規模な季節移動をするものが多くあります。春のシギ・チドリや秋のタカの渡りが群れで見られる期間は、わずか1~2週間内に限られ、この時期を逃せば来年まで待たなければなりません。この様に観察に最も適した時期は、意外に狭い範囲に限られることも多いのです。

 自然観察を続ければ、その地域特有の自然暦を知ることができます。守谷町における各季節に適した様々な観察テーマと、それに適した地域とを表1にまとめました。


表1 守谷町でできる 季節別自然観察ガイド

 春の花が咲く4月頃は、林の中も見通しが良く鳥の観察も楽です。草も茂っていないので歩きやすく、危険な昆虫や爬虫類(はちゅうるい)などもまだ現れていません。安全に観察を行うためにも非常に適した季節です。

 一方、酷暑の夏は、一般に観察には適さない季節ですが、カラスウリなどの夜咲く花や夜行性の昆虫の観察を行うことが可能です。

 秋の花が咲く頃は、虫の姿を観察し、その声を聞くのも楽しい頃です。

 同様に植物が休眠する冬季には、落葉樹の樹形や冬芽が観察でき、一方、葉が落ちて見通しが良くなった林内では、越冬に訪れた冬鳥たちを豊富に見ることができます。

 観察会を開催する際に必要なものには、林や谷津、水系などの自然環境の他に、集合する場所、利用できる公共の駐車場やトイレなどの施設があります。6年間の自然調査で得られた情報を基にして、守谷町の自然観察に適した場所を評価してみたのが表2です。


表2 守谷町の自然観察に適した地域

 守谷町中央公民館が毎年開講している自然観察講座では、これらのデータを基にして年間のカリキュラムを作成しています。また、毎年同じ季節に同じ場所で観察をしていると、自然状況の変化が見えてきます。

 さて、実施季節とテーマが決まって、それに適する地名が候補にあがったら、実施のための手順を考えなければなりません。そのチェックポイントを表3に示しました。


表3 観察会実施のためのチェックポイント

 まず現地調査を行って現況を把握します。これは現在どの様な自然状況かを調べ、希少種や、有害生物の存在が認められた場合には、保護あるいは安全のために観察内容やコースを変更する必要も生じます。初夏~夏の繁殖期は特に注意が必要です。道路に倒木や草木の繁茂などがある場合には、その整備など安全対策も考えなければなりません。また、現地にお住まいの方たちへの御挨拶が必要な場合もあります。この予備調査は、必要に応じて行事日の直前にも実施します。

 行事が終了したら報告書を作成し記録として保存すると共に、簡単でも反省会をしておくと次回の参考になります。


 表2のフィールドのうち①~⑯に付いては、次項のフィールドガイドを御参照下さい。