町役場に近い立沢は北の後田と南の向山からなり、周囲を新しい住宅地や道路に囲まれながら、古い集落を囲んで林、田畑、谷津田、巨木などの、心を安らげてくれる里山の自然が多く残されています。
コース:通常は竜沢寺(A)や香取神社(B)を起点として、向山の社寺林、屋敷林、谷津、斜面林などを観察します。今回は地図上に記した道路を歩いて見ましょう。
植物:竜沢寺(A)付近ではシラカシや竹などの林が見られ、ナラなどの林(C)、休耕田にはヤナギ・ハンノキ林(D)があり、落葉期には樹形や冬芽の観察なども。町指定樹木では香取神社(B)のスギ巨木(28号・幹周307cm)や、海老原一也家門前の大エノキ(E)(14号・幹周320cm)があり、中でも特筆すべきは、海老原誠明家門前に並ぶ21本の大ケヤキ(F)(15号・幹周164~285cm)です。同家の背後にそびえるスダジイ巨木の屋敷林と共に見事な景観が創られています。草本植物の観察は主に春から秋になります。草刈で里山の自然が保たれている路傍(G)は春秋の花の咲く頃特に見事です。また、休耕田(H)はヨシ、オギ、ガマなど湿地植物の観察に適し、絶滅危惧植物であるタコノアシなども見られます。
昆虫:春は、成虫で冬を越したムラサキシジミ・ウラギンシジミなどが屋敷林や社寺林周辺を飛びかい、草地では、ベニシジミ・ヤマトシジミ・モンキチョウなどの姿が見られます。夏は、アブラゼミ・ミンミンゼミ・ニイニイゼミ・ヒグラシ・ツクツクボウシなどのセミ類の声と共に、林内に入ると樹液を求めるチョウ、ガ、甲虫、ハチ類などが見られます。草地や湿地には、シオカラトンボ・ナツアカネ・イトトンボの類などが見られ、ハンノキのまわりでは近年数の少なくなったミドリシジミが飛び交います。秋は、屋敷林やブッシュなどから、コオロギ類・カンタン・ツユムシ・アオマツムシなどの鳴く虫の声を聞くことができます。
鳥類:春はシジュウカラ・ホオジロなどのさえずり、時には北へ渡るセンダイムシクイ(ヒタキ科)やツツドリ(ホトトギス科)の声も。夏は上空にサシバ(ワシタカ科)の舞う姿が見え、秋の渡りが終わり樹々が落葉して見通しがよくなった頃、越冬するアオジ・カシラダカ・オオジュリン(以上ホオジロ科)、アカゲラ(キツツキ科)やカケス(カラス科)などが現れ、メジロやシジュウカラの仲間たちが群で林を移動しています。冬は一年中で最も鳥が多い時期です。
建築物:竜沢寺(A)、香取神社(B)の記録はよく分かりません。香取神社(B)の後ろには、祭具と思われる木製の船や花火筒があります。他の特徴あるものでは煙草の乾燥倉(I)があります。木造粗壁の建物で、下に竈、切妻の屋根には煙出しがあります。タバコの栽培が盛んだった昭和30年頃作られ45年頃まで使われたそうです。
石仏碑:竜沢寺(A)には石仏数体があります。香取神社(B)には元文(1736-41)、安永(1772-81)、寛政(1789-1801)、享和(1801-04)などの元号が刻まれた碑が見られます。また、竜沢寺南の小さな石の社(J)には元禄(1688-1704)の元号があります。
マナー:集落を取り巻く里山の自然です。勝手な侵入やプライバシーの侵害には特に御注意下さい。また、ここには公共のトイレや駐車場はありません。町役場、中央図書館などの施設を御利用ください。