フィールドガイド⑥ 野木崎(のぎさき) 香取神社(かとりじんじゃ)付近

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 利根川の常磐自動車道上流側にあり、様々な地形とそれが育んだ生物に出会える場所です。北相馬台地の南端には高野から続く旧海食崖(A)が斜面林に覆われて連なり、その一郭に緑濃いのが香取神社(B)です。横に並ぶ丸山(C)は小島の如く特徴ある地形をなし、周囲を一周すれば東西南北斜面が持つ様々な環境を観察できます。また、古い地蔵尊(D)や家康の史跡などもあります。台地南側はお玉ケ池(E)に通じる大野川(F)とそれを囲む水田地帯、優れた展望台の利根川堤防(G)、河川敷のオギ・ヨシ草原地帯(H)を経て河岸に至ります。


コース:香取神社(B)から丸山(C)を一周するコースが一般的です。また、大野川(F)沿いの水田湿地の生物観察や、下川岸の河原(H)を歩き鬼怒川河口剣先(I)付近を眺めるコースもよく、9月末の下川岸堤防上(G)は秋のタカの渡りの観察に最適です。


植物:香取神社はスダジイの大木が多く、西斜面にはアラカシ・シラカシ・コナラ・クヌギなどの大木が加わります。サクラでは野生種のヤマザクラ・ウワミズザクラ・イヌザクラの他、植栽のソメイヨシノ・サトザクラ・オオシマザクラがあり、林床には近年少なくなったサネカズラ・ヒトリシズカ・マンリョウ・ヤマユリ・オオオバノトンボソウ・ギンランなどの草本植物があります。丸山北東側には付近で希なタブノキの大木が、大野川には危急種のタコノアシもあります。下川岸付近のオギ・ヨシ草原(G)は、アカメヤナギ・ナガバカワヤナギ・イヌコリヤナギ・コゴメヤナギなどのヤナギ類が生え、草本の帰化植物が多いことも特徴です。


昆虫:夏~秋の香取神社周辺では、カシ類を食樹とするムラサキシジミが樹間を飛び交う姿が見られ、ノシメトンボ・ナツアカネ・アキアカネなど赤トンボの仲間が多く見られます。中にはマユタテアカネ・マイコアカネといった守谷町では数少ない赤トンボを見ることができます。お玉ケ池周辺の草地では、クロイトトンボ・アジアイトトンボなどのイトトンボ類や、ミズカマキリ・アメンボ・コシマゲンゴロウといった水辺を特徴づける昆虫が見られます。丸山周辺では、センチコガネ・エンマコガネなどのフン虫の仲間も見られます。


鳥類:四季を通じてシジュウカラ科などの林の鳥やホオジロ科、アトリ科などの草原の鳥が多く見られます。4月末から5月初旬の水田はムナグロ・コチドリなどのチドリ科、キョウジョシギ・キアシシギ・チュウシャクシギなどのシギ科鳥類が通過します。猛禽類もよく現れ、冬はノスリ・チュウヒ・コミミズクなどが越冬します。特に9月末から10月初めには、県以北で営巣したサシバ・ハチクマなどの大群が上空を通過し、森で羽根を休めて行きます。県内でも希な光景です。


社寺等:家康水飲み場(J)には元和元年(1615)通過の高札があり、利根川の畔には「がまんの渡し」(K)という関連史跡があります。近傍のお地蔵さま(D)はよく管理され、隣接墓地には寛永(1624-1644)寛文(1661-1673)元禄(1688-1704)宝永(1704-11)享保(1716-36)享和(1801-04)と守谷町でも特に古い石塔が並びます。なお香取神社(B)の碑は文化(1804-18)文政(1818-30)などです。正安寺寅薬師(L)は慶安(1649)の記録や文化(1804-18)の碑があり、室町時代の作と推定される寅薬師如来は町指定の文化財です。下川岸(M)は利根川水運の要地で、往時は店舗倉庫が軒を連ねました。対岸は昭和初めまで使われた利根運河(現 野田導水路)の河口です。


マナー:守谷町唯一の県指定環境保全地域である香取神社はもとより、地域の保全に気をつけましょう。河原は道が悪いですから特に安全に留意を。大利根運動公園と隣接する公園(N)はトイレ、あずまやがあり、前の道路は広く通行量は少ないです。