やまばと公園は松前台住宅地の北端にあり、北側谷津に接する斜面の雑木林をほとんど現況のまま公園にしたものです。谷津の対岸が大山新田で、北は鬼怒川、東、南、西の三面は前記の谷津に接し半月状をなしています。集落は台地中央を走る道路に沿って形成され、周辺には畑、杉林、竹林が多く、ほぼ中央に香取神社があります。松前台付近は完全に住宅地となり、街路樹と庭木の他に緑が見られない中で、これらの緑地は周囲の借景を形成すると共に、健康な環境を与えています。
コース:やまばと公園(A)を出発地とし、谷津横断路(B)→対斜面(C)→大山新田中央(D)→香取神社(E)→社寺林裏(F)→鬼怒川沿いの路(G)→川の一里塚(H)と一周します。距離約1.5km(地図参照)
植物:やまばと公園は、かつて薪炭材を生産するコナラの林でしたが、その後自生したハリギリ・イヌシデ・エノキなどが混りました。斜面下部には植栽されたクヌギ、スギがあります。その他にはコブシ・エゴノキ・ヤマザクラ・イヌザクラなどがあり、春には次々と花を楽しむことができます。林のほとんどは夏緑樹なので、夏は緑陰、冬は陽光を来訪者に与えてくれます。大山新田の集落は、北側にスギ・ヒノキなどの林を背負い、コナラ・シラカシ・スダジイなども混じります。特に香取神社境内には、ケヤキ・シラカシ・イチョウ・イヌシデ・スギなどの高木が多く、境内に接してマダケ林があり、後方の谷津にはクサヨシ・アゼナルコスゲなどの群落を持つ湿地草原があります。
昆虫:大山新田の湿地草原では、ギンヤンマ・ショウジョウトンボ・シオカラトンボ・ナツアカネなどが多く飛び交い、時折、チョウトンボがゆったりと飛び交う姿も見られます。草地に目を向けるとオオイトトンボ・アジアイトトンボなどの近年少なくなってきたイトトンボの仲間が見られます。斜面林の周辺では、守谷では数少ないナゴヤサナエやアオヤンマが確認されています。夏の夜の夏緑樹林内では、樹液を求めて飛び交うキシタバなどのガ類やカブトムシ・クワガタムシなどの甲虫類の姿を見ることができます。
鳥類:やまばと公園や香取神社林は、シジュウカラ・メジロなどの森林性鳥類が見られます。また、また谷津のオギ・ヨシ草原では春夏にオオヨシキリやウグイスが営巣し、これに托卵(たくらん)するカッコウ・ホトトギスも現れます。鬼怒川河畔の川の一里塚付近にある島や砂州ではシギ・チドリなど水鳥の観察に適し、また、冬の林ではアオゲラ・ウソなど多くの冬鳥が確認されています。
建築物:
指定緑地とされている香取神社の祭神は経津主命(ふつぬしのみこと)です。天正年間(1573-92)に相馬氏により創建され、大山新田の集落が形成したのも同じ頃と伝えられています。正面には石仏を納めた社が2棟並び、鎮守の杜の厳かな雰囲気を感じさせます。
石仏碑:
天満宮などの社も並ぶ境内の石碑は摩耗したものが多く、延享(1744-48)、寛延(1748-51)だけが読み取れました。石の鳥居は天保(1830-44)年間の作です。
注意:
駐車可能は鬼怒川岸「川の一里塚(H)」くらいです。トイレなどは北守谷公民館を御利用下さい。やまばと公園では斜面崩落を防ぐため園路のみを通行して下さい。