有毒植物

183 ~ 185

タガラシ(キンポウゲ科)

 どちらも水田や溝などに生え、草丈40~50cm、つやつやした黄色の五弁の花で、実は緑の金平糖(こんぺいとう)状です。ともに毒草で、食べると腹痛や下痢をおこし、花や葉の汁でかぶれることもあります。

 タガラシは茎や葉に毛がなくつやつやしています。


ケキツネノボタン(キンポウゲ科)

 ケキツネノボタンは名の通り茎や葉に白い毛が一面に生えています。セリ摘みの時など、大きいセリと思って摘(つ)むことがありますが、セリは二回の羽状複葉(うじょうふくよう)で、春にはずっと小形です。また、葉の形がゲンノショウコやヨモギに似ていますが、ゲンノショウコは花時が一番薬効があると言われるので、その頃摘めばよく、ヨモギは葉の裏に白綿毛があって、特有な香りがします。また両種とも水の中には生えません。


アメリカヤマゴボウ(ヤマゴボウ科)

 背丈ほどにも伸びた赤紫色の茎は、子供の腕くらいにもなり、頂近くで大振りに別れた枝先に黒紫色の実をつけた房を垂らします。実は子供達の色水づくりに使われます。太くなる根からの名ですが、食べると腹痛、下痢、時には血圧の異常低下をおこします。北米原産で明治の始めに渡来しました。土産物になる山ごぼうはモリアザミの根です。


キョウチクトウ(キョウチクトウ科)

 公園や街路に植えられ、夏に赤や白の花を枝々の先につける常緑の低木です。性質が強く大気汚染にも耐えるので、工場周辺や市街地に多く見られます。葉や樹皮に有毒成分を含んで、枝を箸にして食事をしたため中毒した例があります。葉が細く竹に似て、美しい花を桃に例えて夾竹桃です。インド原産です。


ヌルデ・ヤマウルシ(ウルシ科)


ハゼノキ(ウルシ科)

 ウルシは樹液が優れた塗料(とりょう)になりますが、かぶれることでも有名です。この地方では希です。林の中に見られるヤマウルシは樹高3~4mでまばらに枝分れして、枝先に普通主軸が50cmほどの羽状複葉を数枚傘形につけます。ウルシと同じにかぶれます。ハゼノキは大木になりますが、この地方では若木が多いです。樹形はヤマウルシに似ていますが、葉が少し小さく細いです。ハゼノキでもかぶれる人がいます。ヌルデは日当りのよい林の縁や草原などに普通に生えて、樹高数mになります。前の二種に比べ、大ぶりな小葉をつけて、主軸に緑のひれ(翼)が有るのが特徴です。ヌルデもかぶれると言われます。山地にはつるになり紅葉の美しいツタウルシがあります。


ヒガンバナ

 秋の彼岸の頃、真っ赤に咲くヒガンバナはマンジュシャゲ(曼珠沙華)とも呼ばれます。花が終わるとすぐに葉を伸ばして冬から春にかけて茂り、晩春初夏に葉を枯らします。これも外の草が枯れる冬に光を受けて栄養分をつくり、地下の鱗茎に蓄える戦略です。鱗茎や葉に有毒物質を含みますが、飢饉の時には鱗茎を砕き、水晒ししてデンプンを食べたそうです。我が国の種類は結実しないことから、救荒用に、また鼠害を防ぐために、田の畔に植え、増やしたと言われます。


センニンソウ(キンポウゲ科)

 林縁の薮や荒れた生垣を覆うようにからんだつるが晩夏初秋に四弁(萼(がく))の白い花を集り咲かせます。つるは葉の柄が曲りくねってからみついています。やがて花が終わり、実になると多数の雌しべの先が白い毛を生やした鞭(むち)のように伸びて、仙人(せんにん)の髪を思わせる所からセンニンソウです。葉の汁は皮膚に水疱をおこす程激しい作用があります。


ウラシマソウ(サトイモ科)

 ウラシマソウはほの暗い林縁などに生え、高さ30~60cmの柄の先に10数枚に裂けた暗緑色の葉を広げます。花は柄の元から立上がり、葉の下で暗紫色の仏炎苞(ロート形の縁の一部が舌状に伸びた形)を持つ異形の姿を見せます。花は苞内の軸に付く細かな粒です。軸の先が長く紐のように伸び、これを浦島太郎の釣糸に見立てました。株は地下の球茎が大きくなるにつれて雄株から雌株に変わります。


マムシグサ(サトイモ科)

 マムシグサは花の柄が葉よりも高くなり、苞内の花軸は棍棒状です。実は赤くトウモロコシ形になります。葉や花の柄の斑紋がマムシを思わせます。


カラスビシャク(サトイモ科)

 カラスビシャクは庭先や畑に生え、草丈10~20cmです。緑の仏炎苞と鞭状の花軸を立てます。地下の球茎を薬用にします。


ムラサキケマン(ケシ科)

 ムラサキケマンは畑の隅や庭先にも生え、草丈20~50cm、葉や茎は軟らかく、葉はニンジンに似て細かく別れています。春に赤紫色の唇形に似た花を花茎の頂に群れつけます。食べると吐き気や腹痛や頭痛を起こし、ひどい場合は昏睡・心臓疾患の恐れもあります。


クサノオウ(ケシ科)

 クサノオウは石垣の間や荒れた草地に生えます。草丈50cmくらいで、茎葉ともに白い毛が生え、晩春初夏に鮮やかな黄色の花をつけます。茎葉を傷つけると黄色い汁を出し、皮膚につくとかぶれます。胃病の薬として用いられますが、飲み過ぎると虚脱状態になり、昏睡します。