-農村の一般的自家用醤油(しょうゆ)・味噌について-

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 昭和前半まで味噌や醤油は多くの家では自家醸造であった。特に味噌はまさに手前味噌であり、家ごとに味も違っていた。米を使わず大麦を使った麦味噌が主である。ダイコン、ウリ、ナスなどの味噌漬けもお手製であった。

 醤油は手間がかかり、撹拌が不足したり樽の癖があって酸味が強くなったりするので、自家で作らず小麦・大豆を持ち込む外注もあった。

醤油

仕込み時期 3月末より4月始め

材料

大豆3斗、小麦3斗、塩6斗

(※当時は重さではなく容量で計量した。1斗=18リットル)

①一晩水につけた大豆を蒸す。

②小麦を煎って製粉機などで挽き割る。

③麹は各家庭で種麹(たねこうじ)として保管したものや、薬局又は麹屋に話をして大豆や小麦の量に応じて200匁入りの袋で買った。

 (※1匁=3.75g、200匁=750g)


作り方

 茣蓙(ござ)の上で挽き割った小麦と、人肌ほどにさました蒸した大豆に麹(こうじ)を混ぜ、塊のないようにほぐしてから筵(むしろ)をかけて一晩おき、次の日麹箱に移して麹箱を重ねる。重ねた麹箱に筵をかけるなどして約40度に保つように注意していると、5日位で黄色く発酵する。発酵した小麦大豆に塩を混ぜ、湯ざまし6斗を入れて諸味桶(もろみおけ)で熟成させる。

 熟成中毎日2回、土用中は3回撹拌する。

 11月より2月にかけて熟成した諸味を厚い木綿袋に入れ何層にも重ねたものをシボリ機で絞り、火入れをして保管し使用した。


醤油絞り
 ケヤキの厚板で枠や圧板を作り、キリン(手回しのジャッキのこと)の首を上下にして、袋に入れた諸味(もろみ)を絞った。諸味は木綿袋に適量を入れ折り畳んで何枚も積み重ねた。絞りかすは豚の餌とした。

味噌

仕込み時期 11月から12月

材料

大豆3斗、大麦3斗、塩2斗

(※当時は重さではなく容量で計量した 1斗=18リットル)

①麦は精白したものを使用。

②麹は各家庭で種麹として保管したものを使った家が多いが、麹屋で買った家もある。


作り方

 蒸した大麦に麹を混ぜ、一晩筵をかけておき、次の日に麹箱に移して麹箱を重ねる。重ねた麹箱に筵をかけるなどして温度に注意すると5日位で発酵する。

 発酵するのを見て大麦に塩を混ぜ、大豆をゆでる。大豆は一晩水につけておく家もある。ゆでた大豆は熱いうちに四斗樽に入れ、足でつぶす。つぶしたところに大麦・塩を混ぜたものを入れ足で混ぜ合わせる。表面に和紙を貼って密封し、1年くらい熟成させてから食用とした。


くるり棒で豆の脱穀


唐箕で豆の選別


大豆を炊く
 豆を炊くのに、豆がらを用いるのは農家では当然のことである。自家栽培の豆を採れば、茎や殼もできる。出た灰は再び畑の肥料となった。


味噌仕込み