1

 元治二年丑年正月年越厄払

アアラめてたいおおめてたい今年の之御祝儀ニ

午年このかたさま/\と打重りし御厄を此厄

払か払ひましよまづ日本のひらけてより元

和以来之御治世ニ六十六国のすみ/\まてひら

け服せし御代といへば神代も聞す徳川の其

御徳ニて三百年来天下泰平国安穏治る

御代をうらやミて世界之中の大国といふ国

々より船を入貢を捧ケ奉り交易願ふ聞届