湯福川扇状地と城山台地

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湯福神社を扇頂とする湯福川の急傾斜扇状地(沖積錐)は、裾花川の河岸段丘をおおって長野中心市街地の北部を占め、南は権堂町付近、南東は三輪田町付近まで張り出している。平均勾配は50/1,000程度で、裾花川扇状地の約5倍という急勾配である。粗大な岩塊を多数含む不均一で淘汰(とうた)の悪い岩屑から構成され、たびかさなる土石流によって形成された地形であることがわかる。


写真2-23 城山の段丘礫層

 城山の台地は表層に裾花川起源の砂礫(されき)層をのせる段丘面である。新諏訪から連続する裾花川の旧扇状地面(第2段丘面)が湯福川扇状地の押し出しによって分離したものである。善光寺の北には箱清水の低湿地がある。この地帯はかつて城山台地と同位面であったが、西半部が陥没して小地溝帯となった。城山公園には西落ちの地震断層崖(がい)が走っている。城山台地の南から東をめぐる崖(がけ)は往時の裾花川の側刻でできた段丘崖であるが、東の崖麓(がいろく)には城山断層が走っており、城山はこの断層を境に隆起して台地化した。