(1) 古期:上ヶ屋溶岩層

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 飯縄火砕堆積物の下位にあって、南山麓に分布する(角閃石(かくせんせき)・かんらん石)輝石安山岩質の溶岩流と火砕岩層の総称で、模式地は長野市上ヶ屋、軍足(ぐんだり)から大座法師(だいざほうし)池への道路沿い、影山-戸隠村銚子口(ちょうしぐち)の道路脇(わき)など、分布は銚子口-入坂にかけてかなり広く、南縁部は連続した急崖をつくっている。

 上ヶ屋では、溶岩流の厚さは約100mあり、下位は厚さ10m未満の火砕流堆積物からなる。溶岩には一部板状節理(ばんじょうせつり)が発達し、輝石斑晶(はんしょう)が目立つ。銚子口南方では厚さ10m未満で、斑晶に角閃石をともなう。

 層位は、上ヶ屋で基盤の猿丸層をおおい、銚子口南方で飯縄火砕堆積物におおわれる。