飯縄山溶岩層

52 ~ 52

外輪山外側斜面の最上位に広く分布する普通輝石紫蘇(きせきしそ)輝石安山岩質溶岩流と火砕岩の互層の総称で、飯縄火山の噴出物中最大の分布面積と体積をもつ。模式地は牟礼(むれ)村の霊泉寺(れいせんじ)山南東を刻む屏風(びょうぶ)沢上流にある。

 溶岩と火砕堆積物の互層からなり、層厚は約200mである。火砕堆積物は火砕流堆積物と降下堆積物からなる。火砕流堆積物は飯縄山溶岩層の最下部でとくに厚い。溶岩の一部には板状節理が発達するが、一般には塊状を呈するものが多い。

 層位は、黒滝スコリア層を整合におおう。岩質はかんらん石含有紫蘇輝石普通輝石安山岩で、火砕岩はときに角閃石(かくせんせき)を含む。