高野層

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信更(しんこう)町の高野は小さな盆地地形を示し、ここには湖成堆積物が分布する。木村(1987)はこの堆積物を高野層と呼んだ。八木(1943)は、この盆地が旧犀川河床であり、ここは化石湖であることを図示した。高野層の分布域は高野川の上流部に限られ、その広がりは1.5×2.5km2である。この地層は下位の灰原層を不整合におおって分布する。層厚は約40mで、主として有機質のシルト層、砂質のシルト層からなる湖沼性の堆積物である。これらは部分的な不整合で下部・中部・上部・最上部に区分される。下部層は安山岩の亜円礫や古期岩類の礫からなる砂礫層で泥炭層や砂層をはさむ。中部層はシルト層や砂質シルト層からなり、最下部に大町ローム層のDpm軽石を、上位にガラス質火山灰層(Aso4)をはさむ。上部層はシルト層や砂質シルト層からなり、下底には大町ローム層のEpm軽石層を、その上位に大山倉吉軽石(DKP)をはさむ。最上部層は灰白色のシルト層からなる。これらの広域火山灰層の年代から、高野層は約10万年前から5万年前にかけて堆積した堆積物である。