大座法師(だいざほうし)池大谷地には10mを超す湿地堆積物が堆積していると思われるが、どのくらいかはわからない。赤羽・酒井(1993)は、大谷地(おおやち)の中央部で177cmを人力で掘削し、177~400cmはハンドオーガーで調べた。ここでは地表から47cmまでが泥炭層、47~400cmは砂礫(されき)質をはさむシルト層からなる。深度150cmの泥炭質シルトの14C年代測定では、1,080±80yrB.P.の値が得られている。シルトを主体にし泥炭層の発達が見られないこと、堆積速度が大きいことなどから、大谷地湿原の堆積物は上流からの河川の堆積物からなり、逆谷地(さかやち)湿原とは環境を異にしている。