飯綱高原の平坦な地形面を厚くおおう風化火山灰層は、5~10mの層厚を示し、飯縄火山噴出の火砕岩類の分布地と一致している。飯縄火山の火山麓扇状地堆積物の上位には、厚い風化火山灰層はみられない。
飯縄火山の山麓周辺に分布する風化火山灰層は、飯縄火山を噴出源とする火山灰層だけでなく、西方の立山(たてやま)火山や白馬乗鞍(のりくら)火山を噴出源とする火山灰層をも含み、さらには広域火山灰層と呼ばれる九州や山陰の火山から飛ばされてきた火山灰層をも含んでいる。飯縄火山起源の火山灰層は、南麓から南東麓・東麓になるにつれて厚くなり、牟礼(むれ)村から三水(さみず)村・豊田村にかけて厚く分布する。