皆神山火山岩

63 ~ 65

松代(まつしろ)町の皆神(みなかみ)山溶岩ドーム(659m)は、頂径600m、底径1.2km、見かけの比高250mの大きさがあり、山頂部は標高600m内外の小起伏に富んでいる。北西山麓(ろく)の大日(だいにち)堂でおこなわれたボーリングの結果では、ドーム溶岩は地下150m付近まで存在し、さらに下位には厚さ14mの湖沼堆積物をはさんで、別所(べっしょ)層とひん岩があるという(高橋ほか,1967)。したがってドームの実高は400m、体積は約0.2km3と見積もられる。この規模は、わが国の溶岩ドームとして平均的(日本火山学会,1984)なものである。

 岩石は淡青灰色、緻密(ちみつ)で、流理構造が発達する。SiO2は63~64%(表2-10)で、中間カリ・カルクアルカリ岩質の、角閃(かくせん)石含有普通輝(き)石紫蘇(しそ)輝石安山岩からなる。

 カリウム-アルゴン年代は、0.35Ma(森本ほか,1966)である。


表2-10 皆神山火山岩の化学組成