東部山地の地質構造は、褶曲(しゅうきょく)構造の発達がみられないなど西部山地とは大きく異なる構造を示している。この地域の新第三系は、全体的に北西に傾く単斜構造である。このため下位の古い地層は南東部の山地に露出し、北西部ほど新しい地層が分布する。南西部の西条周辺の山地では、北西に30~40度の傾斜を示し、神田(かんだ)川の上流域では20度前後と緩やかになる。松代(まつしろ)東部の奇妙(きみょう)山から保基谷(ほきや)岳にかけての山地の新第三系は、20~30度の傾斜を示している。この東部山地には、たくさんの貫入岩類が貫入し、これらは層理に沿っているところや周辺の構造を乱しているところがある。
断層は、神田川の上流部や豊栄(とよさか)の蛭(ひる)川上流部、保科(ほしな)川の上流部などに分布し、新第三紀の火山岩類を切っている。