白土

80 ~ 80

長野盆地西縁部に分布する裾花凝灰岩層の下部層中のデイサイト質凝灰岩は、古くから白土(はくど)(酸性白土)として採掘されていた。白土はモンモリロナイトを主成分とし、クリストバライト(珪酸鉱物の一種)などを含む白色の粘土で、強い吸着性と触媒能がある。

 これまで採取された場所は安茂里蟹(あもりかに)沢・犀(さい)沢、小田切滝沢山、新橋の南、共和濁沢、中尾山などであるが、現在は犀沢で1社が月産約50t採掘しているにすぎない。用途はその大半が工業用クレンザーの原料として利用されている。かつては珪砂を採取し、水洗いして不純物を除き、乾燥した粒状の砂を原料としてガラスを製造したことがある。


写真2-67 安茂里犀沢の白土乾燥所

 酸性凝灰岩(SiO2の重量%が66以上のもの)が熱水作用、風化作用を受けて分解し、モンモリロナイト化した粘土状物質をベントナイトと呼んでいる。脂肪感のある緻密(ちみつ)な塊状として産する。ブランド薬師の東、浅川では、坑道を掘さくして、流紋岩の割れ目を充填(じゅうてん)しているベントナイトを採取したことがある。主に田用水の漏水を防ぐために用いられた。